バイオスプリング事業の歩み















ウスタビガのよもやま話



 ウスタビガの繭は、その美しい緑の繭、独特の形からあちこちで様々な伝承が残っています。ここでは幾つか紹介します。

 〜呼び名について〜

    ウスタビガは日本全国に分布する野蚕ですが、地域ごとに違う生態を持ちます。
 また、冬の枯れ木の中で美しい緑が鮮やかなその繭は、昔から親しまれてきました。
 ウスタビガは薄手火蛾(手灯は提灯)、薄足袋蛾などと書き、東北地方では、「やまぴこ」、「やまびこ」、「山叺(やまかます)」、「山柄杓(やまびしゃく)」など、多くの呼び名をもっています。
 「やまぴこ」、「やまびこ」は山彦からでしょう。景色が色あせる冬でも褪せない若草色の繭からの連想からか、変わらない繭色は、こだまのように元に戻るとの考えから、再生の意味を込めたのかもしれません。
 こんな事例があります。福島県南会津地方では、繭をやまびこと呼び、背守りとして産着の背中に付けていました。これは小さな子供の魂は不安定なので、「やまびこ」のように出て行っても戻って来て欲しい、との再生の意味があったと言われています。また病気にならないようにとの思いもあったようです。

 〜繭と民間療法〜

岩手県藤沢町地域では、古くからウスタビガを「やまぴこ」と呼び、民間療法として繭を煮て中耳炎や口内炎の治療に使用したことが知られています。
福島県から栃木県北部では「やまびこ」と呼び、その繭を喉に付けておくことで風邪の治療、または予防をしていたとのことです。

 〜繭と民具〜

岐阜県を中心とした地方では、繭を「タッショ」、「コベラコ」などとも呼称していたようです。こちらでは、繭の中に小豆を入れて魔除けのように使ったとの口伝があります。
また飛騨地方では怪我した指につけて、指サックのように使ったとの話もあります。

 ウスタビガの繭については、他にも地域により様々な伝承がありそうです。

 〜蛹の利用〜

 ウスタビガの繭は冬でも若草色を保つので、色褪せた枯れ木の中で見つけることが出来ます。但し、ウスタビガの羽化時期が10月〜11月であることから、繭を見つけた時には蛹がないことがほとんどです。この為、その蛹は有用と思われても使われることがなかった素材なのです。
 さて家蚕の繭は製糸工場に集められ、糸を紡ぎ取られると蛹は不要になります。一部は家畜の飼料や魚の餌などにも使われましたが、大半は廃棄されました。
 しかし蛹はたんぱく質や脂肪が豊富で、かつては栄養補助食品のように使われていました。「蛹3個の栄養は鶏卵1個分」などと喧伝されていたようです。今でも長野県などでは、蛹の佃煮が売られています。意外と高いので少し驚きます。
 また中国では薬としても利用されています。「中薬大辞典」(上海科学技術出版、小学館1985)によれば、サンヨウ(蚕蛹)として小児の神経症や消痩、消渇などに効くとされています。
 ウスタビガと同じ野蚕である天蚕の蛹も、長野県で食べられていたようなのですが、口伝のみで記録には残っていません。
 しかし広く世界に目を向けると、野蚕については繭糸への関心は薄く、食用として蛹を利用することがほとんどです。柞蚕(サクサン)は中国で食用として広く知られてますし、ラオスのタサールサンの蛹も食用目的とされています。黄金の繭を作ることで知られるクリキュラも、そもそもは蛹を食べることを目的としていたようです。
 他にもこのような例は沢山あり、野蚕の蛹は貴重な栄養源とされています。栄養以外の機能性については不明の点もありますが、有用な原料であることは間違いありません。

 〜昆虫食と食料問題〜

 ちょっとウスタビガなどの蚕とは離れますが、ここで昆虫食と食料問題について少し。
 2013年に国連食糧農業機関(FAO)は、世界の食料危機の解決に栄養価が高い昆虫類の活用を推奨する報告書を発表しています。産業化により新たな雇用や収入源となることもありますが、牛などの家畜と比べて飼育効率が良く、気候変動に関わる温暖化ガスの排出量の減少にも寄与するとのことです。
 世界的には昆虫を食べる地域は無数にあります。今でこそ少ないものの、日本でも食料としている利用しています。蜂の子やイナゴなどです。
 昆虫の生み出す資源の活用は、未知の部分も多いですが、逆に言えば可能性の宝庫とも言えます。 弊社も野蚕を通して貢献していければと考えております。
 
 ※こちらのよもやま話は、随時追記していきます。






マスコミ等で紹介されました!

平成28年(2016年)1月29日(金) 下野新聞





平成30年(2018年)6月12日(火) 下野新聞





平成30年(2018年)7月13日(金) CRT栃木放送「まるきん大行進!」に出演しました







栃木県からの公的支援




 弊社の野蚕「ウスタビガ」事業は、栃木県からの支援を受けて進めております。
 野蚕であるウスタビガは、クヌギやナラなどの里山の木々の葉を食べて成長します。
 ゆくゆくはこれら飼育地域を広げ、里山の保護から環境保護に努めたいと考えております。
 

※ 平成27年度「野蚕の機能性解明と機能性に着目した製品開発に向けた大量飼育技術の確立」(栃木県“とちぎ未来チャレンジファンド助成対象事業”)

※ 平成29年度「野蚕産生物の機能性を利用した健康食品・サプリメント・化粧品の製造販売」(栃木県“とちぎヘルスケア商品開発促進事業補助金対象事業”)







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